物権はものすごい難しい
民法を勉強していると、必ず深入りするのが物権編です。
そもそも物権とは、私たちの生活の中で馴染みがあまりありません。これが売買契約とかだと日々私たちは取引をしているわけですから、生活に溶け込んでいるので、馴染みがあるといえます。
そして物権は法律初学者が勉強するには難しすぎます。
よく言われているのが、民法をやるなら物権は後回しにして、債権各論からやる方が良いということです。
これは非常に理に適っていると思います。詳しくは後述しますが、難しいところから手を付けても、勉強が進まずにあまり効率的とは言えません。
物権は非常に難しいです。私ですら、いまだによくわからない箇所があるくらいです。中でも難しいのは抵当権ではないでしょうか。
必ず立ち止まってしまう箇所だと思います。抵当権と言われても、馴染みがない人が多いと思います。人生経験豊富な人はもしかしたら抵当権を設定したということもあるかもしれません。
ですが大抵の人はそんな経験はなく、ひょっとしたらボードゲームのモノポリーで聞いたことある程度ではないでしょうか。私も当然ながら、行政書士試験を受けるまで、抵当権とは無縁の生活を送っていました。
民法で立ち止まってはいけない理由が3つ
このように物権は非常に馴染みがなく、難解な範囲です。
ここで民法にとらわれすぎると深みにはまってしまいます。なので民法で立ち止まってはいけません。
なぜなら行政書士試験には民法で立ち止まってはいけない理由が3つあるからです。さて、その3つの理由とはなんでしょうか?それでは一つ一つ見てみましょう。
① 民法より行政法の配点が高いから。
② 民法は横断的な知識が大事であるから
③ 実は行政書士試験には民法の物権はあまり出題されない。
①はきっとこのブログを読んでくれている方ならもう説明する必要はないでしょう。結局、行政書士試験の中で、一番高いウェイトを占めるのが行政法です。
民法も確かに大事です。ですが立ち止まっている時間があるくらいならば、確実に取れる行政法に時間をかけるべきだと私は思います。このことは一般的にも王道です。
「行政法を制するものは行政書士試験を制する」です。
次いで②の「民法は横断的な学習が大事」ということです。
民法は横断的かつ全体的な知識が必要です。はじめは浅い理解で、全体的な知識をつけた方が私はいいと思います。
そこでわからなければ、初めて深く掘り下げていけば良いと思います。
つまりとりあえずは一周させるということです。
わからないところで立ち止まるとどんどん深みにはまっていきますので、ある程度の割り切りが必要です。
最後に③です。民法で立ち止まってしまう方の多くは、物権編で立ち止まってしまいます。
実は行政書士試験で民法の物権はあまり出題されません。
この事実に大半の方が意外に思うでしょう。私も実はその一人でした。ですが実際に昨年の平成28年度試験を見返してみると、民法物権の知識を直接問う問題はたった2問しかありませんでした。
たった2問のために、多くの時間をかけて理解しようとするのは、あまり効率的とは言えません。
物権が多く出題されるのはやはり不動産に関係する宅建士、そして不動産登記を扱う、司法書士試験です。
行政書士試験で物権の問題はあまり出題されません。
どちらかというと債権の知識を問われることが多いです。
ですが、物権もたくさん出題されているような気がします。それはなぜでしょう?
それは物権の知識を直接問う問題ではなくても、対象となるものが土地であったりするからです。
このため、物権の知識を問われているような気がするのです。
たとえば、問題文に甲という土地を買ったとかです。これは土地の売買の契約に関する知識が問われているのに、土地というワードが出てきただけでなんだか物権の知識を問われている感じがしてしまうのです。実際には債権の方が多く出題されています。
物権は本当に難しいです。物権だけではなく、民法は本当に難しいです。ですが立ち止まってはダメです。
わからくても、前に進むべきです。限りがある勉強時間です。立ち止まってはもったいないです。どうしても、理解が困難であれば、周囲の法学部の友達に聞くだとか、ヤフー知恵袋か教えてgooで聞くなりしてください。
ほとんどの方が丁寧に回答してくれます。独学の勉強には限界があるので、よき指導者が近くにいるのならば、その人に聞いてみるのが一番てっとり早く理解ができます。周りにそういう人がいないのであるならば、自分で解決しようとせずにいっそのこと飛ばしてでも前に進むことが大事です。
他の科目でも言えることですが、勉強でわからないことがあっても立ち止まってはいけません。
独学で勉強するということは周りに誰もいません。教えてくれるのは参考書の文字だけです。
ここが、こうだからわからないとあなたが教科書に問いかけても、答えを教えてくれるわけではありません。独学で勉強するということはこういうことがつきものです。
いくら参考書の文字を追っかけてもわからないものはわからないのです。これが、予備校などでは素晴らしい指導者がいるので、あなたが疑問をなげかけると、丁寧で的確な答えが返ってくるでしょう。
それもそのはずです。予備校の講師はそれが仕事なのです。そして受講者はその分だけ高いお金を払っているのです。至極当たり前のことです。
一方で独学でがんばろうと決めた人はこういうサービス抜きで試験に挑戦しているのです。
当たり前ですが、安く済ますにはそれなりのサービスしか得られません。
なので、こういう場合は、疑問をそのままにしておくのは少し気持ちが悪いことかもしれませんが、思い切ってそのまま先に進んでしまうのが得策なのです。
そして、もしかしたら先に進んで得た知識によって、わからなかった疑問が解消できるかもしれません。
経験上、そいうことが多い気がします。