長い文章より短い文章の方が覚えやすい!!

行政書士試験に合格するために、条文をすべて覚える必要はありませんが、行政手続法や行政不服審査法など場合によっては条文の正確な知識が問われることがあります。民法ではその条文の文言、そのものを問われることはほとんどなく、条文の趣旨が問われます。なので、民法の全条文を覚えたからと言って高得点が取れることはほとんどないでしょう。これが民法の全条文を理解したとなると話は別です。

さて条文を覚えるにはどうしたらいいでしょうか。まずは音読してみることです。そしてそれを繰り返すことです。これが私のオススメの記憶方法です。書いたりとかはしません。書くとなると、膨大な時間を条文に費やすことになるでしょう。そもそも書いて覚えるまでの確かな記憶は必要ありません。文言の一語一句を覚える必要はあっても、書けるまでになる必要は決してないからです。

当然のことですが、条文(文章)には長いものと短いものがあり、短いものの方が覚えやすいです。民法などは、条文の文言よりも趣旨が大事なので、長い条文を短くして覚えることも大事になってきます。それはたいてい、市販のテキストで行われていることだったりもします。つまり市販のテキストや参考書は条文をわかりやすく解釈して記載しているということです。この要約されたテキストをさらに自分の言葉で短くするというのも一つ学習法になります。ただ法律の場合は、それをすると意味合いが変わってします場合がありますから、注意が必要です。基本的に、小さな情報から肉付けして大きな情報にしていく勉強法が効果的だと思います。基本の知識に高度な知識を付け足していくイメージです。

私が学生時代にやっていたのは教科書をさらに自分の言葉でさらに要約するという方法でした。それで8割以上は点数が取れていた記憶しています。自分の言葉で要約するということは自分で情報を整理して、情報を創造しているということになります。テキストの内容をただ読んだり写したりするだけの受け身の学習ではなく、自発的、能動的な学習となります。このことにより、より記憶に定着しやすくなるのだと思います。

行政書士試験を攻略するうえでも、この方法がまったく役に立たなかったわけではありません。科目によっては、自分なりに要約をしました。しかし、先ほど述べたように法律科目となると要約することにより重要な部分が抜けたり、趣旨が変わってしまったりするので注意が必要でした。それに気づいたため、私はもっとも要約されたものを探すようになりました。そうすると要点のまとめとして市販されているテキストに出会いました。基本書よりは断然薄く、かなり要点がまとめられています。これはまさに需要な部分が要約されたテキストでした。基本的には、この要点まとめのテキストをベースに、わからなければ分厚い基本書を開くという感じで学習していきました。私が短期間で合格できたのもこのおかげかもしれません。

ところで要約とはどういうことなのか、具体例で示したいと思います。

私が大好きな外資系大手卸売り企業のコストコでは、店舗だけではなくアメリカ文化もそのまま日本に上陸させた為、日本では考えられないような理由で商品の返品が可能である。

という長文があったとしてます。これを要約するとなるとこうなります。

アメリカの卸売り企業のコストコは、さまざま理由で商品の返品ができる。

どうですか?かなり短い文になり、覚えやすくなったと思います。さらに要約すると、「コストコは返品自由」となります。でもこれではあらゆるものが返品可能となってしまうので若干趣旨が変わってしまいます。ですが、だいたいのイメージはつくと思います。これに返品自由に下線を引き、理由にもよると書いとけば、より原文に近い趣旨になります。これが知識の肉付けなのです。

文章というのは回りくどく書くことも簡素に書くことも可能です。長い文章だからといって、情報があふれているとは限りません。自分の必要のない情報は捨てて、書き換えていくことも大切なのです。すなわちこれが要約なのです。

もし要約されたまとめのテキストがなかった場合は、基本書をノートにまとめるのがオススメです。私はこのブログでさんざんノートは取らない方が良いと言っていましたが、時間がある人にとっては別です。むしろ、ノート取った(要約する)方が良いとすら思っています。時間がない人やギリギリで合格を目指す方には私のように基本書とは別に要約されたテキストも用意することをオススメします。