行政書士試験と宅建士試験を比較してみる。難易度は?

出題範囲が被る!?だけど実際は民法だけ

行政書士試験と宅建士を比較してみましょう。よく行政書士試験と宅建士の試験は出題科目が被ると聞きますが、果たしてどうなんでしょうか?

実際は民法しか行政書士試験の範囲と被ることはありませんでした。
宅建士の試験では、主に宅建業法と、民法、国土利用計画法、税法などが出題範囲となっています。

もちろん、宅建士は不動産を扱うことになるので、不動産の取引に関することや不動産の税金に関する知識が必要となってきます。よって上のような科目が出題範囲となります。



行政書士試験と宅建試験の民法は別物

民法が行政書士と宅建士試験の両方に出題されますが、これらは同じような問題が出るのかという疑問があります。これについては、難易度も範囲も違ってきます。
全くの別物と思っていただいて構いません。



当然、上位資格である行政書士の方が難易度の高い問題が出題されます。そして範囲はというと、宅建士は物権がメイン、行政書士は債権がメインで出題されます。もちろん、メインというだけであって範囲は民法全部であることには変わりありません。まぁ、宅建士試験で物権がメインで出題されるのは不動産を取り扱うので当然ですよね。ちなみに宅建士試験では親族は出ないようです

行政書士試験と宅建士試験いったいどっちが難しいの?

続いて、試験の難易度について見ていきます。標準の勉強時間を比較していみると以下のようになります。

宅建士試験 300時間        行政書士試験  1000時間

どうでしょうか、行政書士試験の方が長い勉強時間が必要です。宅建士のおよそ3倍勉強しなければならないことになります。このことからわかるように、宅建士試験より行政書士試験の方が難易度は上ということになります。
勉強時間の比較だけではなく、問題の出題のされ方でも難易度の差がわかります。
まず、行政書士試験はご存知のとおり5択と多肢選択問題、記述問題、この3つの形式での出題となります。一方、宅建士試験はというと4択問題のみと圧倒的に簡単な出題形式となっています。

5択と4択では雲泥の差!?

5択と4択では難易度にかなりの差が生じてしまいます。もし当てずっぽうで答えを選んだとしても、単純計算ですが5パーセントの差が生じます。小さく感じるかもしれませんが、実際は大きな差となります。5択はより深い知識が必要となってきます。

宅建士試験の合格点は毎年変動しますが、おおむね50問中35問前後となっています。やく7割の問題に正解しないといけません。一方、行政書士試験は補正措置がない限り、今のところ6割の180点が合格ラインと固定されています。
出題形式と4択を考慮するとたとえ行政書士試験の6割でも宅建士試験の方が簡単なことは間違いないです。

就職には強い宅建士資格!!独立できる行政書士

宅建士の資格を持っていると、就職に有利です。なぜなら宅建士の資格は必置資格と呼ばれ、5人に1人は宅建士がいないと業務ができない決まりになっているからです。それは就職に強いはずです。現に不動産業界の求人は多く、宅建士の有資格者を募集している企業が多数見受けられます。
基本的には行政書士はこういった必置資格ではなく、それどころか一般企業で行政書士として就職することができません。

というわけで行政書士の資格をというと就職にはことごとく弱いです。詳しく書いた記事がありますので、知りたい方は下記のリンクからどうぞ。

行政書士試験は求人が多いのか、少ないのか?そもそも就職できるの?

このように、行政書士試験と宅建士試験は難易度も違えば、求人の多さまで違います。どっちが一概にいいとは言えません。宅建士資格も魅力的ですし、行政書士資格もやはり独立もできるので捨てがたいです。そんな風に思う人はこの際、両方取得してみるのも良いかもしれません。どちらも受験資格はありませんので、誰でも受験可能です。二つの資格を取得してダブルライセンスとして、独立するのも良いかもしれません。実際に、行政書士と宅建士のダブルライセンスの方は結構います。

冒頭にも書きましたが、実は民法しか試験科目は被っていません。ですが、なにも被らない資格を取得するより有利です。試験日は宅建士の方が1か月ほど早いです。宅建士に挑戦し、次に行政書士試験に挑戦するというパターンも可能です。

実は私も今よりももっと若いころに宅建士を受験したことがありました。残念ながら数問足りず不合格となってしまいました。今後、また挑戦してダブルライセンス目指したいと思っています。