行政書士はどうしてゴミ資格、無駄資格とネットで言われているのか?

いきなり、すごいタイトルになってしまいました。

「行政書士がゴミ資格?無駄資格?そんなはずはない」

行政書士試験に合格した人、現在行政書士の人ならばこう思わざるを得ないでしょう。そんなはずはないのに巷ではこのタイトルのようにささやかれています。では、なぜ行政書士がネットなどでゴミ資格または無駄な資格と言われているのか考えてみましょう?

私は行政書士試験合格者ではありますが、いまだに開業していないので、ゴミ資格ではないとか無駄な資格ではないと強く反論できる立場にはないと思っています。
なぜならば、行政書士としてのうまみをまだ一度も体験したことがないからです。
ただの資格保持者に他なりません。

仮に行政書士として年収1000万円以上稼いでる人であれば、ゴミ資格ではないぞと強く反論できるはずです。逆に年収がその辺りの駆け出しアイドルや売れない芸人程度であれば、本当にゴミ資格と言えるのではないでしょうか。そんな人もちらほらいるようですが。

つまり一概には、行政書士の資格がゴミ資格であるとかそうではないとか言えないのです。一般的にゴミ資格、無駄資格とは言えないのです。それはこんだけ年収にばらつきがあるからです。
これが行政書士が役に立たない資格なのかという問いに関しての答えになるかと思いますが、そう結論づけてしまうと記事が短くなってしまうのでもう少し書かせて下さい。

年収に関してだけでいえば、仮に登録している行政書士全員が年収200万円以下ならば、確実に取る価値のない無駄な資格といえます。ですが、統計をみても年収1000万円以上の人も多くいますし、それ以上の人だっています。

この事実がある以上は私は決して行政書士が無駄な資格であるとかゴミ資格であるとか否定的な表現は間違っていると思っています。しかもそう決めつけてかかるのはバカげたことだと思います。

では、何を根拠にネットではそういわれているのでしょうか?おそらく私の予想としては、この2点ではないかと思います。

まず行政書士が他の士業と比べると、勉強時間も少なく、少ない知識で取れる資格である点です。これに関しては確かに法律家、士業という枠組みの中では圧倒的に低い立場にあると思います。その点に関しては私も同意見であり、反論はありません。ただ、士業というカテゴリーから外した場合で考えると決して楽に取れる資格ではありません。それだけは無資格者、未挑戦者に言われたくないことです。

アホでも取れる資格だとか、バカでも取れる資格。誰もが思うことです。それは合格したものだけが言えることと。

また、公務員がある一定の条件を満たせば無試験でもらえる資格という点がさらに行政書士試験の価値を下げている原因でもあります。ただこれに関しては、誰でも彼でも無試験でもらえるわけではないので、私としてはそこまで価値を下げるものでもないと思っています。そこは、開業後に試験組と無試験組とで差をつければいい話であります。

そしてもう1点が、行政書士試験に合格しても就職がないという点だと思います。就職に弱い資格=ゴミ資格、役に立たない資格、無駄な資格

という方程式が立つのでしょうか。これに関しては反論させていただきます。行政書士というのは独立ありきの資格であって、就職用の資格では本来ないということです。行政書士として就職できるのは行政書士法人にです。当然、行政書士法人として手広くやっているところは全国にそう多くありません。

私の周辺の地域でも、指で数えるのみです。ましてや即戦力を求める行政書士法人が行政書士試験に合格したばかりのひよこ新人を雇う理由がいまいちよくわかりません。ゆえに行政書士は就職に弱いと言われています。

ひよこ食いなる言葉があるように、新人の行政書士は実務関してどうしたらいいのかわからないといわれています。試験が実務に直結していないのがおもな原因かと思います。行政書士試験の合格発表後の3月くらいには、すでに開業している行政書士事務所に「無報酬でもいいから、働かせてくれ」という問い合わせもあるそうです。そのくらい行政書士は、実務に関しての知識がないのです。

私も今は開業していませんが、正直なところ、開業前は可能であるならばどこかの事務所で修行したいと思っています。もちろん無給は嫌ですが(笑)

ひよこ食いという行政書士の実務に関してのセミナーなどがあるくらいですから、金を払って教えてもらうより、金をもらって欲しえてもらう方が良いに決まってます。このことを考えると行政書士法人、行政書士事務所を含めて、事業主からしてみれば求人者を選びたい放題というわけになりますよね。

そもそも行政書士は就職して高年収を稼ぐ資格ではないのです。

独立して高収入を目指す資格なのです。現実的に資格を取っただけで高収入が実現するのは難関な公務員試験に合格したものだけだと思います。

弁護士ですら稼げないと言われている時代です。資格は稼ぐための前提条件でしかく、それからは本人の営業能力であったり実力に他ならないのです。

行政書士は就職には向きません。

これが言うまでもない事実なのです。これらの誤解をすべてといたうえで、行政書士が本当に無駄な資格、役に立たない資格と言えるでしょうか?

そして、一番大切なのは行政書士を否定する人に反論することではありません。これから受験する人達に真実?をわかっていただきたいだけです。

もし、受験生が高収入を得られる就職先への切符としての合格を目指すなら、やめといた方が良いでしょう。確かに就職しようとする企業に対して、自分が努力したことはアピールできても、実際に採用となるかはわからないところです。
そしてさんざん説明してきましたが、行政書士事務所への就職は難しいうえに、無給でも働きたいという人がいる以上、月給面での金額も期待できません。

行政書士は就職よりも独立です。独立となれば、あなたの能力次第で無限大の収入をえることもできます。反面、能力がなければ年収は少なくなります。
ポジィティブに捉えれば夢のある資格といえるのではないでしょうか?

私的には取り合えず取るというのも一種の選択かと思います。それは行政書士試験は1年間、もしくはそれ以下の期間、間違った勉強法さえしなければ合格が可能です。弁護士みたいに1万時間以上勉強する必要もありません。そう考えると学習しても経済的なリスクも時間的なリスクも少ないということになります。
わりかし、気楽にとってもいい資格と言えます。ただ舐めてはいけません。それは一応合格率一桁の資格です。そのことは忘れてはいけません。ただ他の士業よりは勉強しなくても取れるというだけです。

結論としては、行政書士の資格はゴミ資格でも無駄な資格でもないということになります。年収のバラツキからわかるように、行政書士として稼ぐにはそれなりの経営能力が必要といえるでしょう。誰でも稼げる資格ではないということです。