一般知識、これが行政書士試験の実質の学歴制限に他ならないような気がします。
行政書士試験に受験資格がまったくと言っていいほどないのはもうご存知でしょう。中卒でも受けれる資格です。ですが、法律のことだけ知っていても、独立し自分自身で営業していく過程で、ある程度の一般知識であったり、常識であったりするものが必要です。
その能力を測るのが行政書士試験に設けられた一般知識という問題なのです。
中にはこれって行政書士の業務に必要かなと思えるほどしょうもない問題もでますが、基本的にはこの考えに基づいて一般知識が出題されるのだと思います。文章理解にしろ、パソコンの知識にしろ、行政書士としてやっていくうえで最低限の知識なんだと思います。つまり、行政書士は文章を理解でき、パソコンを使って作業をし、個人情報の取り扱いに注意をしながら業務にあたることが想定されているのです。
では、よく比較されるお隣士業の社労士試験はどうなのか?これに関しては鐘楼試験には一般知識というものがなく、その手の問題はまったく出題されません。
これはなぜか、社労士試験には受験資格があるからです。社労士の受験資格には大卒であったり、専門学校や高専卒であったり(結構複雑ですのでおおざっぱに)と学歴要件があります。つまり簡単に言えば高卒より上でないとダメだということです。ましては中卒では受けられません。実務経験とかで変わってはきますが、基本的にはそう思ってください。ちなみに行政書士試験合格者なら社労士試験の受験資格があります。
このことがなぜ行政書士試験に関係するかというと。社労士も行政書士もお客さんから相談を受けて業務するという点では非常に似ています。難易度も拮抗した資格です。ですが、受験資格は大きく違ってきます。もちろん社労士の方が上位資格というとらえ方がされているのは事実だと思います。
つまり、冒頭で書きましたが、行政書士試験の一般知識は実質の学歴要件に他ならないのです。そこで疑問となってくるのはどのくらいの基礎知識が求められるのかということです。
ずばり私は高卒程度だと思っています。
社労士の学歴要件と社労士試験が行政書士試験が上位資格であることを鑑みれば、高卒程度が妥当だと思ったからです。
もし求められる知識が中卒程度であれば、この一般知識は絶対に必要ないでしょうし、実際の本試験の一般知識の内容的にも中卒ではお世辞にも解ける問題はまったくありません。大卒ほど難しいかと言われるとそうでもない気がします。そういったところで高卒程度となるのです。
つまり高卒程度の一般知識があればよいのです。こう考えると高卒程度の一般知識がない人はどうするのかということになってきます。
もちろん諦める必要はありません。高卒程度の知識が求められるのは実際はほぼ社会・政治・経済の範囲だけだからです。実際のところ、一般知識には確実に得点したい範囲とそうでない範囲があります。社会、政治、経済は高卒程度の知識がないと得点は厳しいですが、文章理解やパソコンに関する知識や個人情報などの範囲は受験生全員にとってのスタートラインはほぼ一緒です。私もそうでしたが、個人情報保護法の内容などまったく知りませんでした。
これらの問題を確実に得点できるよう努力することが重要です。一般知識で満点を取る必要はありません、足キリさえ防げれば良いのです。一般知識の足りない部分は法律科目で補うしかありません。逆に一般知識が大得意だというような公務員を目指していたバリバリの受験生は一般知識で得点を稼げる分、ちょっと法律科目で手を抜くことができます(笑)
このように行政書士に求められる学歴というのが高卒程度ということが分かったと思います。付け加えていうならば、高卒程度の公務員試験の知識となります。学歴なんて関係ないと私は思いたいです。ですが、求められている以上はそれに応えないといけません。確かに政治、経済、社会の問題は難しいです。
ですが、それら以外の問題をすべて正解すれば足切りは防げます
しかし、政治、経済、社会のすべてを捨てるのは危険な賭けと言えます。
他のブログを見ていると、たまに一般知識対策は文章理解や個人情報保護やパソコンの知識のところだけをやればいいという記述も見かけます。ですが、さきほども言った通り、私はこれは非常に危険なかけだと思います。なぜならば、少しでも足切りのリスクを回避すべきだからです。法律科目で点数が良いのに、一般知識の点数が足りずに足きりにあい、合格できなかったとなると悔しい気持ちでいっぱいになると思います。
政治・経済・社会も高卒程度の知識を目指して、対策すべきだと私は思います。
優先順位的には、情報保護・情報通信→文章理解の練習→政治経済社会の順番になるのは間違いありませんが、まったく、政治経済社会をやらないことは私には考えられません。
毎年、一般知識でなく人も多いです。私自身もギリギリ通過しました。紙一重です。もしかすると一般知識で足きりにより不合格となっていたかもしれません。
ちなみに一般知識の中には常識で解ける問題も多くあります。知っているか知っていないかではなく、冷静に考えれば解ける問題もあります。冷静さをうしなわないことも大事です。
そして、一般知識には裏技と呼ばれるものが非常に良く効くといわれています。どういう裏技かというと「例外なく」であったり言い切りの選択肢は間違えが多いだとかです。公務員試験でもそういう本が出ててお世話になりました。そういうのも邪道とは私は思いません。むしろ常套手段です。もし気になるようでしたら、探してみてください。
最後に、これだけは覚えてください。行政書士試験は法律科目と一般知識で一つの試験です。どちらかが欠けていても不合格になります。そのことを忘れずにしっかりと一般知識も対策しましょう。