宅建士試験合格者が行政書士試験を受ける上で大事な3つのこと

行政書士試験の受験生の中には、すでに宅建士試験に合格しダブルライセンスを目指してという人もいると思います。

私も順番は逆ではありますが、行政書士試験と宅建士試験に挑戦した一人です。

追記*無事に宅建士試験に合格してます(H30.1.22)

大抵の人は宅建士試験→行政書士試験という順番ですが、私の場合は逆で行政書士試験→宅建士試験という順番です。

まぁでも、両方受験したという事実は変わりません。そして、宅建士試験は予定ですが、どちらとも合格基準に達しました。

この経験から今回は宅建士試験合格者が行政書士試験を受験する上で注意すべき3つのことについて書きたいと思います。

①民法のみしか被らない

まず一つ目は、基本的には宅建士試験の知識を行政書士試験に持ち越せるのは民法のみということです。

基本的には、行政書士試験と宅建士試験の共通科目は民法のみです。

なので、宅建士試験で、民法をあまり勉強してこなかったという人は、基本的にはあまりアドバンテージはないと思ってください。

行政書士試験でも行政法の問題でたまに建築確認に関する問題が出てきますが、宅建で問われる内容とそれとははまったく違うものです。

「そういえば宅建士試験で建築主事ってあったな~」くらいです。

特に有利に働くということはありません。

基本的には民法だけが共通する分野です。

これは非常に重要なので頭に入れといてください。

②記述式と一般知識の存在はかなり大きい

そして2つ目は、記述式の存在と一般知識です。

そうです、行政書士試験には記述式があります。そして、かなりの高配点です。これが択一のみの宅建士試験との大きな違いです。

記述式の出来が行政書士試験の合否を左右するといっても過言ではありません。

記述式の対策は必須といえるでしょう。

そして、もう一つ宅建士試験にあって、行政書士試験にあるものの代名詞と言えば、一般知識です。

私は一般知識が行政書士試験の影の学歴制限だと思っています。

やっかいなことに足キリもあるので、当然、一般知識対策も必須となります。

③行政書士試験は割り切りも大事だということ

最後、3つ目です。

割り切って捨てるということも大事だということです。

宅建士試験では、基本的には捨て科目というのはなかったと思います。少なくとも私は捨て科目は作らずに勉強していました。

しかし、行政書士試験では、各科目の配点差が非常にある試験です。なかには勉強しなければいけないボリュームの割には配点が少ない科目というのもあります。

捨てる科目なんてなしに勉強するのが理想ですが、真面目に全部を完璧にマスターして試験にのぞむというのは非常に時間のかかることだと思います。

最短で合格を目指すには効率よく、配点の高い科目に注力していくのがある種のセオリーになります。

「宅建は満点を目指して、行政書士は最低限で」

が私が思うコツだと思います。

まだ行政書士試験に関して何ら下調べもしていないという人も多いと思うので、念のため書いときますが、行政書士試験の法令科目を宅建士試験の感覚で言えば以下のようになります

宅建業法→行政法

権利関係→民法

法令上の制限→憲法

その他、税→商法、基礎法学

行政書士試験の法令科目に例えるとこんな感じになると思います。配点も雰囲気(勉強の感じ)も私はこんな感覚だと思います。

最後に、とにかく行政書士試験は宅建士試験よりも難しいです。

それは間違いありません。

試験時間も3時間と1時間長くなりますし、4択だったのが5択になります。

そして、記述式と一般知識の足キリがあり、これらがさらに合格の難易度を上げていきます。

宅建合格者だからと言って、楽に合格できるということは全くありません。

それ相当の覚悟が必要になってきます。最悪、通信教育や通学という手段も考えてもいいかも知れません。

以上、宅建合格者の方が行政書士試験を受けるうえで知っておくべき3つの大事なことでした。